永遠の約束-約束のはじまり-


「私たちってまだ、完璧には調べられてないと思うんだ。これが絶対に本当のことだって確信を持てるほど。状況証拠としては宮城さんたちが言っていることは筋が通っている。でも、それって一方が言っていることでしょ? だから、完璧に全てがそうだとは思ってない」


「相楽………」





 いつも自分勝手で、人を使うのがうまい奴。


 だから、慈の口からそんな言葉が聞けるとは思ってもみなかった。


「それに、確実にそうだって確証を持ってたら、私が龍野先輩に報告してるわよ。でも、まだ疑問点が解決していない今の状態では報告なんてできない」


「疑問点?」





 聞き返す綺羅に慈は得意げな笑みを見せた。


「そっ! これは麻生くんたちも気づいてない疑問だと思うわよ」


「なんだよ、それは」


「聞きたい?」





 勿体ぶった言い方をする慈を一瞥した後、綺羅は顔を逸らす。


「別に。無理に聞こうとは思わない」





 食いついてきた綺羅に喜んだのも束の間、冷たくあしらわれた慈はズルッとずっこける。





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