永遠の約束-約束のはじまり-
行き先を告げていた綺羅の声にかぶさるように後方から聞こえてきた声。
その声に綺羅たちは一斉に振り返る。
「海堂………。宮城………。お前ら、どうして………」
呆気に取られる綺羅に礼香は申し訳なさそうに手を合わせて片目を閉じる。
「ごめんなさい、麻生くん。あなたたちが光浦吉備の家を出てくるのを見て、少しの間、様子を見させてもらってたわ」
「つまり、後をつけていた…というわけか………」
自虐的に笑いながら、綺羅は礼香や真之のことを見る。
その瞳にはクラスメイトを見るというよりも敵を見るような鋭さが秘められていた。
「麻生くん、あのね………」
鋭い綺羅の視線に、慌てながら弁解しようとする礼香。
そんな礼香を真之は手で制する。
「おかしいと思ったことは調べる。俺たちは依頼を受けたんだ。それは、当然のことだろう? お前たちのように、ただの遊び感覚でしているわけじゃない」
真之のその言葉には綺羅だけではなく、後の三人もカチーンと頭にきた。
「ちょっと~~~!」
真っ先に、短気な慈が一歩踏み出すと、真之たちのことを睨みつける。