永遠の約束-約束のはじまり-
「綺羅くん………、この感覚って………」
真里も綺羅と同じように感じたのか、心配そうな顔を綺羅に向けてきた。
一方、先ほどまで綺羅たちと真っ向から対峙していた礼香と真之も異変を感じているようだった。
「どうしたの? 何か感じるの?」
急に辺りを警戒しだす四人に何も感じることができない、慈と雅俊は不安げな表情で四人と同じように辺りを見渡す。
何かしらの物体を目にすることはできない。
だけど、気配は嫌というほどひしひしと感じる。
綺羅は左手をギュッと右手で握る。
いつ、現れても剣が出せるように、スタンバイをしておく。
すると、そのスタンバイを待ったかのように大きな黒い物体が綺羅たちを目がけて飛び出してきた。
綺羅は手から剣を取り出すと、物体に向かって振り上げる。
だが、その瞬間、綺羅は横から押されたかと思うと地面に倒れこんでいた。
すぐに顔を上げた綺羅は、物体と対峙する礼香と真之を見た。
「あいつ~~~…!」
危ないとか以前に、何も言わずに自分を押して倒した事実が腹立たしい。
その行動が何も言わずとも、素人は手を出すなと言われているようで腹が立つ。
別に自分の力に絶対の自信など持ってはいない。
だけど、あまりにも無下にしてくる真之の行動には反感を持たずにはいられなかった。