永遠の約束-約束のはじまり-
体を起こし、自分も応戦態勢に入った綺羅。だけど、目の前の真之と礼香は大きな物体に苦戦している。
そして、その物体の視線は間違いなく綺羅を狙っていた。
礼香の短剣の幾度もの攻撃を交わし、真之の術を諸ともしない物体は二人の隙をついて、綺羅の元へとやってくる。
そして、口からどす黒い何かを綺羅に向けて放った。
「麻生!」
「麻生くんっ!」
「綺羅くんっ!」
「綺羅っ!」
各々の声が綺羅に向けられたその時―――――
もうダメかもしれないと思った時、人は目を閉じることさえもできないんだな。
俺は、ここまでだったのか………。
そんなことを自分に向かって近づいてくる妖気の塊を見ながら思っていた綺羅。
すると―――――
急に胸元が熱く感じたかと思うと、強烈な光が綺羅の胸元から放たれる。
それと同時に自分に向かって近づいてきた妖気を何かわからない今度は光に包まれた影が弾き飛ばした。
「これは………、一体………」
自分に起こったこの出来事に綺羅は呆然とするだけだった。
そして、それを見つめる五人も光に包まれた綺羅を呆然とした状況で見ているだけだった。
ピィ~~~…
呆然とする中で微かに聞こえてきた何かの鳴き声。