永遠の約束-約束のはじまり-





 そんな風に思いながら、綺羅は真里の傍へと駆け寄る。


 そして、真里の肩にじっと止まっている一羽の鳥を凝視した。





 小さい鳥はインコのように小さい。


 だけど、少しインコとは違う形。


 そして、何より金色(こんじき)色に輝く美しい羽を持っていた。


 それは、自分は何年も前にある人の肩に乗っていたのを見た。


 その鳥と全く同じ――――





「お前……、本当に初(うい)…なのか?」


「ピィ!」





 返事をするように鳴いた後、初と呼ばれた鳥は真里の肩から綺羅の肩へと飛び移る。





 綺羅の中に、本当なのかという気持ちと、そんなことがあるわけがないという気持ちが混在する。


 だけど、こんなに変わった色をした鳥と見たこともない容姿に『初』でしか有り得ないとも思えてしまう。





 金色色に輝く羽。


 その羽は今もなお、なぜか光を放っている。


 何かの力を持っているかのように。





 そこまで思った時に、綺羅はハッと思い出す。


「そういえば、あの物体は………!」





 あたりを見渡すが、それらしきものは何も見当たらない。


 あの時に感じた気配も今では感じられなかった。


「お前が放った光に弾き飛ばされた後、さっさと逃げたよ」


「え?」





 自分の後ろから聞こえてくる声に俺は振り返る。





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