永遠の約束-約束のはじまり-











 深青(みお)………。


 お守りって、これは………。


 ただのお守りなんかじゃない。





 いつだったか、魔物にばかり狙われて泣いていた綺羅に深青は言っていた。


 それは綺羅の幼い頃の記憶。


『これからは、深青が綺羅を守ってあげる』





 それは、あの時だけの口約束だと思っていた。


 深青が如月神社を去ったと知ってからは余計にそう思っていた。


 だけど………





 離れていても、こんな風に自分を守ってくれている。





 そのことに気づいた綺羅は今にも込み上げてきそうな涙を隠すためにギュッとペンダントを握りしめると目を閉じ、唇を噛み締めた。











「初って、深青ちゃんの分身でもあるって聞いたことがある。生まれてきた時からずっと一緒にいるって。そんな大切な初を……、深青ちゃんは綺羅くんを守るために………」





 真里は流れてくる涙を手でぬぐった。





 綺羅と真里。


 二人だけが知っている深青という存在。


 だけど、後の四人には何のことなのかさっぱりわからず、顔を見合わせていた。





 そんな中、真之がスッと一歩進み、綺羅の前へと進み出た。


 そして、綺羅の肩に乗っている初をじっと見つめる。





< 233 / 319 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop