永遠の約束-約束のはじまり-
このリストは、この業界では有名な代物だ。
真之と礼香が所属している『一陣風霊会(いちじんふうれいかい)』は霊能力者関連の事件を扱う専門的な退治機関だ。
全国のありとあらゆる人為的とは思えない不可思議な事件を解決するのを生業としている。
他にも多数存在している団体もあるが、その中でも格段の上の地位に位置しているのがこの『一陣風霊会』だった。
人数も多ければ、調査員もそれなりにいる。
これまでの怪奇現象はもとより、小さなことから全てにおいて調べ上げている調査員。
戸籍などの個人情報もデータには多く必要になっているため、国の内部にも調査員を送り込んでいるほどに、このデータは詳細だった。
だからこそ、それほど力を使っていない光浦吉備の存在もわかったのだ。
おそらくは光浦吉備でさえも気づいていない力。
それさえも調べてしまうほどの調査能力を持つ彼らが、あれほど強力な式を扱えるほどの人物のデータを集められなかったとは思えなかった。
「どういうことなんだ………? それとも、もしかしたら『みお』という人物はすでにこの世にいない………。いや、それなら、式が今現在存在しているという事実が成り立たない」
真之は両手で頭を抱えながら頭を横に振る。
「ねぇ、真之。リストは確実なの?」
「・・・・・え?」
抱えていた手を放すと、真之は顔を上げた。