永遠の約束-約束のはじまり-
「だから、このリストは確実なのかって」
「それは………」
そう聞かれると、真之ははっきりとは言い切れなかった。
今までこれは詳細な資料であって、このリストに何度も助けられていた真之としては、このリストに不備などがあるとは考えもしなかった。
だけど、今現在。
真之たちには知りたい情報がこのリストには載せられていない。
そしてそれは、見過ごしたと言えるほどのレベルの力ではない強力な力。
確実に自分たちの目で見てしまった強大な未知の力。
だからこそ、知りたいと思うのに。
「まさか、見過ごしている…とか、把握できてないってわけ…ないよね………?」
心配そうに聞いてくる礼香に「ああ…」と真之は固い声で答えた。
「でも、じゃあ、どうして………?」
その問いに、真之の中では一つの答えが導き出されていた。
だけど、その答えはできるなら信じたくはない答えだ。
今まで信じきっていた『一陣風霊会』という組織に少しでも疑問が生まれるからだ。
だけど、考えれば考えるほど、真之にはこの考えしか浮かんでこなくなる。
自分の心の中にだけ留めておくべきなのかもしれない。
礼香にこのことを言えば、組織への疑念は礼香にも伝わってしまう。
だけど、長年パートナーとして一緒に行動をしてきた礼香に言わないというわけにはいかなかった。
「………もしかしたら…、このデータからはわざと外されているかもしれない………」
「………え?」