永遠の約束-約束のはじまり-
「この子の顔。見たことない?」
写真を指差す慈に三人の視線が集まる。
その時に、綺羅は「あ…」と声を上げた。
その声に慈はニッと勝ち誇ったように笑みを浮かべる。
「麻生くんは見たことあるわよね?」
「ああ………。この顔に覚えはある」
そんな綺羅の言葉とは反対に雅俊と真里は首を傾げた。
「一体、誰なんだよ。俺は全然知らないぞ。こんな顔」
「私も………」
そんな雅俊と真里に慈は深く頷いた。
「このマンモス校である青涼学園で自分と関わりのない生徒を知らないのは仕方がないわ。実際、この子は私たち四人とは一度も同じクラスになったことはないし。体育でも一緒になったことはなかったはずよ」
慈の言葉に頷きながらも、真里はチラリと綺羅を見る。
「でも………。綺羅くんは、知ってるんでしょ? 彼女のこと」
「ああ。話したことはないけどな」
「どういうこと?」
「和田あゆみ」
「え?」
「彼女と一緒にいたんだよ。告白してきたその時に」
予想もしなかった、その答えに、真里は目を見開いた。