永遠の約束-約束のはじまり-
「結論だけ話すわ。この山口詠美。彼女は和田あゆみの友達だけど、かなり冷遇されていたみたい。友達とは名ばかりで、ただ同じグループにはいるけど、パシリみたいな感じ?」
「それって、友達って言えるの?」
納得いかないのか、真里は口を尖らしながら聞く。
そんな真里に慈は溜息を吐いた。
「真里。そのことに引っかかってたら、全然話が進まないから」
「だって………」
不服そうに口を尖らせたまま俯く真里。
まっすぐな性格の真里からしたら、友達でありながらパシリに使うような関係は納得がいかないのかもしれない。
だけど、今はそんな真里の気持ちを思いやれるほどの余裕が綺羅にはなかった。
「相楽。話を続けてくれ」
慈は大きく頷いた。
「そもそも和田あゆみに本当の友達と言えるような人はいなかったみたい。同じグループにいても自分がその頂点にいて、それ以外の子はみんなただの自分の取り巻きか何かとして思ってなかったんじゃないかな」
聞いていた真里の顔がますます険しくなる。