永遠の約束-約束のはじまり-
『あげる! 綺羅が泣かないようにお守り。だから、泣いちゃダメ。絶対に会えるよ。約束』
笑顔で自分に向けられた手。
その手にはいつも片身離さずつけていたペンダント。
それを自分にくれた深青。
自分が深青への想いを断ち切ろうとしたその時に消えてしまったペンダント。
それがまるで、深青への想いを諦めたのと同時に持つ資格さえ失ってしまった気がした。
何もかもうまくいかない。
忘れようとすればするほど、手の中にあるものがすり抜けて、もっと気になってくる。
ペンダントがなくなったことも忘れるいいチャンスだと思えないところが悲しい。
(俺は………)
綺羅は前にも後ろにも進めない自分に苛立ちながら、今日の疲れた気持ちを癒すために目を固く閉じた。