永遠の約束-約束のはじまり-
「深青!!」
ガバッとベッドから飛び起きる綺羅。綺羅はゆっくりと辺りを見渡してから、息を吐く。
夢か………。
綺羅はもう一度息を吐いてから、ゆっくりとベッドから降りて勉強机へと歩いて行く。
机の上に置いてある時計はまだ夜中の3時を過ぎた時刻を指していた。
そして、その時計の隣に立ててある一つの写真立て。
今朝、自分がわざと伏せた写真立てを起こし、綺羅はじっと見つめる。
そこに映っているのは、幼い頃の自分とその自分に抱きつく形で笑顔を振りまいている深青だった。
たしか、同じシチュエーションでもう一枚撮った気がする。
その時にはいつも綺羅のことをいじめるある女の子が映っていたのだが。
「深青………っ」
忘れようとすればするほど想いは強くなる。
他の女性を好きになろうとするほど、深青のことが思い出される。
綺羅は写真立てを持ちながら、その場にしゃがみこんだ。