永遠の約束-約束のはじまり-
これから、何が始まろうというんだ?
嫌な予感が綺羅を襲う。
だけど、それよりも綺羅は目の前で涙を流す詠美の姿が気になって仕方なかった。
詠美のこの涙には、これからとんでもないことが起こる以上に明彦の身に何かが起こるのではないかと思い起こさせた。
止めなくてはいけない。
別に何か確信があるわけじゃない。
でも、本能が綺羅にそう囁く。
綺羅は一歩足を踏み出した。
その途端、綺羅はガシッと腕を掴まれる。
「どうするつもりだ、麻生。
これはやばい。
今すぐここから立ち去ったほうがいい。
目標の人物たちは見つかったんだ」
真之の言うとおりだ。
自分の中にもこれからとんでもないことが起こるとわかっている。
だけど、綺羅は真之に対して首を横に振った。
「海堂。
お前たちは全員、
ここから逃げてくれ」
「え・・・・・?」
言葉を失う真之。
そんな真之の横で真里は心配そうな表情を綺羅に向けてきた。
「綺羅くんは?
………綺羅くんはどうするの?」
「俺は………」
一度言葉を区切ったかと思うと、綺羅は視線を真里から内藤へと移した。
「こいつをなんとか助ける」