永遠の約束-約束のはじまり-
「・・・・・え?
そんな、一人だけで?」
「ああ」
「無理よっ! そんなこと。
綺羅くんは深青ちゃんじゃないんだよ。
できることとできないことがある。
内藤くんを助けるって、
何か手はあるの?」
真里は痛いところをついてくるな………。
苦笑しながら、綺羅は「いや」と短く答える。
その途端、真里はギュッと綺羅の手を握りしめた。
「じゃあ、私も一緒に残る。
綺羅くん、一人で残すわけにはいかないよ。
綺羅くんは攻撃重視。
私は防御重視。
そうやって、二人でがんばってきたじゃない。
今度も………」
「いや。
どうすればいいのかわかっているのなら、俺も真里に頼む。
だけど、何もわからない今は、
どうなるかもわからないこの状態に真里を置くわけにはいかない」
「そんなのっ!
綺羅くんだって、一緒じゃない!」
「いいからっ! 早く行け!」
今までにないほどの声を上げた。
綺羅の声に、真里がビクッと体を震わせる。
そんな真里の姿を見て、綺羅はフッと優しく微笑んだ。
「俺は、絶対に大丈夫だから………」
それは何かを覚悟したような笑みだった。
「河原さん」
呆然とする真里の腕を真之が引っ張って強引に部屋の外へと出す。
そして、出る直前に真之は綺羅へと振り返った。
そんな真之に綺羅は「頼むな」と告げた。