永遠の約束-約束のはじまり-
(4)
自分の震える手を見つめながら、綺羅はただ怖くて仕方がなかった。
そんな綺羅の頭に軽く手を乗せる深青の父である道隆(みちたか)。
「怖いかい?」
何気なく聞きながら、道隆は綺羅の隣へと座る。
「おじさんは、僕のこの力を見ても怖くないの?」
こんな力を見せてしまって、おじさんにまで嫌われるかもしれない。
幼い綺羅の心にはそんな不安が渦巻いていた。
妙な力を持つ自分を何も言わずに受け入れてくれた場所。
それなのに、この場所さえも失ってしまうんじゃないか。
そんな気持ちでいっぱいだった。
だけど、綺羅の不安を一蹴するような笑みを道隆は綺羅に向ける。
「怖くないよ」
はっきりと、即答する道隆。
そんな道隆を綺羅はまっすぐ見つめた。
「………本当に?」
「ああ」
「どうして?」
綺羅に聞かれ、道隆は遠い目をしながら空を見上げた。