永遠の約束-約束のはじまり-
(5)
おじさん、今がその時なんですよね。
綺羅は心の中で、道隆に囁いた。
深青たちはおじさんが亡くなると同時に、姿を消した。
それは自分たちの身に何かの危険が迫っていると思ったから。
それなのに、深青は俺が危ない時に初を通して守ってくれた。
それは、海堂たちが不信に思ったように、深青の存在がばれるということになりかねない。
それなのに………。
それは、道隆が言った、『そういう日』だと、深青が思ったから。
だからこそ、綺羅も今の自分がそういう日なのだと判断した。
内藤の行為は許されるべきではない。
でも、だからといって、この時代に、死を持って償えというのは間違っている。
内藤は生きて、その罪を償うべきであると綺羅は思う。
だからこそ、今、たとえ自ら命を手放そうとしていても、それを救えるすべがあるのなら、綺羅はするべきだと思った。
綺羅は深く息を吐くと、手に持っていた剣をまっすぐに自分の前で構えた。
そして、目を閉じると神経を集中させる。
あの頃は、集中することもできず、コントロールすることもできなかった。
だから、力はいつも暴走していた。
だけど!
あれからは一度も使ったことのない力。
だからこそ、これが成功するかどうかは綺羅にもわからない。
ただ、この力を使いこなすことができれば、確実に内藤を助けることはできる。
一か八かの賭けかもしれない。
だけど、何もせずにただ黙っていることはできない。
この力を持って、如月家の人たちと会った今。
何とかなるかもしれないのに、知らないフリなんて、もうできなかった。