永遠の約束-約束のはじまり-
ゆっくりと綺羅が自分を指さす先を見て、理佐子は「ああ」と言いながら首にかかったペンダントを引きだした。
「これ? 麻生くんが昨日落としたものだよ」
犯人はお前か!
とばかりに理佐子を見る綺羅。
今すぐにでも怒鳴りたい気分になるが綺羅はなんとか気分を落ち着かせる。
「先輩。それ、大事なものなんです。返してくれませんか?」
「う~ん………。初めはもちろんそのつもりだったんだけど~…、昨日、よく思い出していたら麻生くんってこれをいつも持ってるでしょ?」
上目遣いで綺羅を見る理佐子。
そんな理佐子を見て、綺羅は嫌な予感がしてくる。
「だから~…、これ、ちょうだい。麻生くんがいつも大事に持っているものだし、私の大切にしているものと交換っていうのどう? 自分の大切なものを交換するって、付き合っているみたいでしょ?」
「・・・・・・・・」
何も言わない綺羅を不思議に思うこともなく理佐子は頬を赤く染めながら「ね?」と確認をしてくる。
その時になって理佐子は綺羅の様子がおかしいことに初めて気づいた。