永遠の約束-約束のはじまり-
「ごめんなさいっ! まさか、これが麻生くんにとって、そんなに大切なものだなんて思わなかったの。だから、返すわっ! だからっ!」
綺羅の大切なペンダントを自分がもらおうとしたから綺羅は怒ったのだと感じた理佐子はペンダントを返すことで綺羅の気持ちを静めようとする。
その先に続く言葉を理佐子は恐れて。
ペンダントを返せば、きっと、優しい綺羅は考え直してくれると理佐子は感じていた。
「すみません。俺は………」
「やっ! 考えなしでこんなことをしてしまったことは謝るわ。だけど、だから私と別れたいなんて言わないでっ! ダメなところは全て治すから、だからっ!」
ぎゅっと綺羅にしがみつく理佐子。
そこで初めて綺羅は体を起こした。
じっと、理佐子のことを見る綺羅。
それから、大きく一つ息を吐き、首を横に振った。
「最初に軽い気持ちで受けること自体間違っていました。すみません」
もう一度、頭を下げた綺羅。
やっぱり、自分の気持ちを誤魔かすためや忘れるために軽く受けるものではなかった。
自分のことを本気で理佐子が思っていることがわかっているだけに、綺羅の後悔も一際だった。
「…その忘れられない子は……麻生くんの傍にいるの? 麻生くんの気持ちを知っているの?」