永遠の約束-約束のはじまり-
聞く気にはなったものの、綺羅は柏葉の大ニュースに全く期待はしていなかった。
そんな風に綺羅が思っているなど全く思っていない柏葉は綺羅が聞いてくれることに無邪気に喜んだ。
そして、必ず綺羅が話に食いつくと自信満々に言い放った。
「ウチのクラスに美少女の転校生が来るんだって!」
「・・・・・・・・・」
自信満々に言い放つ柏葉の言葉を聞き、綺羅は『やっぱり、そんなことか』と落胆した。
一方自信満々だった柏葉は綺羅が乗ってこないことに「あれ?」と拍子抜けする。
「美少女だぜ? この時期外れの今。興味湧かない?」
不思議そうに顔を覗いてくる柏葉に綺羅は冷たく一言、耳元ではっきりと告げた。
「全然、湧かない!」
はっきりと、とても低い声で耳元で言われた柏葉はプルプルと体を震わせながら、すでに窓の外へと視線を向けていた綺羅に思いのたけをぶつけた。
「酷いっ! 俺、これは、さすがに綺羅も喜ぶと思ったのに~」
顔を両手で覆い、しくしくと泣きまねをする柏葉に綺羅は心底面倒臭いと思う。
綺羅は盛大に息を吐いてから、柏葉に目を向けた。
その途端、ギョッとする綺羅。
な、なんだ?こいつらは………
「美少女の転校生が来るっていうのは本当か!?」
「………え?」