永遠の約束-約束のはじまり-
柏葉の情報は確かに当たっていた。
始業のチャイムと同時に入ってきた担任の後ろをついてくる一人の美少女。
真っ黒な黒髪に大きな目。
スラリとした手足にぷっくりとした赤い唇。
艶やかな黒髪は肩の辺りで綺麗に切りそろえられている。
一目見て美少女だということが誰の目からみても明らかだった。
「うっわ~~~、超美少女じゃん」
「想像以上~…」
「マジ可愛い~…」
男子が好き勝手なことを言っていると、いきなりその声は女子の声でかき消されてしまった。
「え~~~!? 誰~~~!? 転校生って女だけじゃなかったの~?」
「めっちゃ、かっこいい~~~」
「あたし、すっごいタイプ~~~」
男子は美少女ににまにまとした顔で視線を向け、女子は女子でうっとりとした顔で美少女の後ろを歩く男を見ていた。
そんな異様なクラスの状況の中、綺羅だけは特に興味もなさそうに窓の外へと視線を向けた。