永遠の約束-約束のはじまり-
(2)
「ハア~………」
目の前に見えるどう見ても薄気味悪いとしか思えない建物を前に、綺羅は思いっきりため息を吐いた。
「ちょっと、何よ。今のそのため息!」
隠そうともしない綺羅の不機嫌なその態度に、慈は噛みつく。
「お前さ~…、どうやったらいつもこんな薄気味悪いところ探してこれるわけ?」
「あっ、それって褒め言葉~? いや~…、照れちゃうな~…」
「全然、褒めてねぇし」
どこをどう考えたらそんな風に思えるんだ。
綺羅は呆れた顔で、目の前でうきうきしている慈を見る。
そして、慈から目の前にド~ンと聳え立っている建物に目を移すと、またも憂鬱な気分になってしまうのだった。
「綺羅くん。ごめんね~…」
不機嫌な綺羅の顔を見て、一緒に来ていた真里が謝る。
「どうして、真里が謝るんだよ。別にお前が悪いわけじゃないだろ? 無理やり連れてきたのは相良なんだから」
「それはそうなんだけど………。でもね、今回はちょっと私にも責任があるんだ」
落ち込んだ様子の真里の姿に綺羅は首を捻る。
責任って………?