永遠の約束-約束のはじまり-
どれほどの時間が経ったのだろうか。
やっと、眩しさから解放された綺羅はゆっくりとだが恐る恐る目を開ける。
今のはなんだったんだ?
辺りを確認するように見渡すが、今まで危機にさらされていた物体はどこにも見当たらない。
それに、あの時聞こえてきた声は――――
「綺羅くん!」
「今のはなんだったんだ?」
「どういうこと?」
なだれ込むように、次々と入り込んできた真里たち三人は辺りを見渡しながら、綺羅へと駆け寄ってきた。
「お前ら………。外で待ってたんじゃ?」
暢気に聞く綺羅に真里は似合わず眉を上げた。
「あんなに突然光って、何かがあったんだって思うのに、暢気に外でなんて待ってられないよ」
心配してくれたんだ。
真里が自分のことを心配してくれていることを感じ、綺羅は申し訳ない気になる。
あの時、自分一人でなんとかしようと決めたことに後悔はないし、それが間違いとも思わない。
何の力も持たない雅俊や慈を守るためには、やはり真里の結界の力は二人に必要だった。
結果、自分は予想以上に手強い敵と遭遇する羽目になってしまったが、たとえ、真里が一緒にいたとしても、あれほどの敵に何かが変わっていたとは思えなかった。
それに、情に厚い真里は自分以上に霊に感情移入してしまう節がある。
それからも、やはり、真里を雅俊と慈の元へと置いていたことはよかったと思う。