永遠の約束-約束のはじまり-
だけど、それと今の真里が自分を心配してくれているという事実は別物だ。
「心配かけてごめんな………」
素直に謝ると、真里は困ったように眉を下げる。
「別にいいよ。ただ、無茶はしないで」
素直に謝ると真里はそれ以上何を言うこともなく、綺羅ににっこりと微笑んだ。
そして、もう一度部屋の中をぐるりと見回す。
「でも………、本当に何があったの?」
神妙な顔つきで綺羅に聞いてくる真里。
一方、慈は今までこの部屋に霊がいたというのに物怖じすることもなく、いつも持ち歩いている手帳とデジカメを取り出すとカメラを取りながら、気づいたことを手帳に書いていた。
そして、柏葉はというと………。
怖さのためか、一歩も動こうともせずに真里にぴったりとくっついたままだった。
「あのさ、真里………。お前、この部屋に何かを感じたりするか?」
「え? この部屋に?」
真里は目を閉じながらゆっくりと神経を研ぎ澄ましていた。
ピリリと感じる感覚がそれを証明していた。
少しの間、目を閉じていた真里だが、ふと瞼を上げる。
そして、力なく首を横に振った。
「ごめん。私には何も感じられない」
「そうか………。実は俺もなんだ。確かに俺の目の前にはすっげぇ大きくて力の強い悪霊がいた」
「え? でも………さっきの光は綺羅くんが放ったものじゃなかったの? あの光でその悪霊を倒したとか………」
困惑する真里に綺羅は首を振った。