永遠の約束-約束のはじまり-











「え? そんなことがあったの?」





 一時間目が終わったと同時に珍しく遅刻ぎりぎりに登校してきた真里を捕まえて綺羅は今朝の騒動の一部始終を詳しく語った。





「そっ。俺も人のことは言えないけど、あいつの場合は敵を作りすぎだろ? もう少しさ、なんていうか周りのことも考えるようにお前から言っておいてくれよ」


「う~ん……。そういうことは私も何回かは言ってたんだよ。だけど、慈はあれが慈なんだもん」


「そうは言ってもな~…。第一、あいつの不機嫌の理由って昨日のことが原因なんだろ?」


「うん。報告書があんなんじゃ、書けないんだって。依頼人にもどう説明したらいいのかわからないって」





 綺羅はフッと笑うと真里のことを見た。


「じゃあさ。この際、この仕事を請けるっていうのをやめたらどうなんだろう」


「えっ? 綺羅くん? それって、どういう………」





 真里が戸惑った表情で綺羅のことを見た。


「どういうって言葉のとおりだよ。俺さ、昨日のことで気づいたんだよな。こういう仕事は生半可な気持ちでやっちゃいけないんだって。俺たちはさ、自分の身を守るためにこの能力を教えられた。何も自分からすすんで悪霊を退治するために教えられたんじゃない。それなのに、こんなことをしていて」





 俯く綺羅。


そんな綺羅に伺うような口調で真里は声をかけた。







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