永遠の約束-約束のはじまり-
綺羅はじっと真里を見つめる。
攻撃と防御………。
さすがにじっと見つめられていた真里はその視線に気づいた。
途端に、落ち着きなく視線を彷徨わせる。
「お前………」
「は、はいっ!」
なぜか、妙に気合の入った返事をされ、眉を寄せる綺羅だが、それにはあまり気にせずに綺羅は言葉を続けた。
「その能力。どんな風に深青の父親に言われた?」
「へ? 能力?」
間抜けな返事をする真里に綺羅はコクリと頷くことで答えた。
「あ、えっと………。霊力は高いって言われました。はい」
「そんなことではなくて、その防御に使う能力。結界は万全だって言われてるのか?」
「え…と、はい。そういう面ではなんか優れてるらしくって………。確か深青ちゃんが結界に関しては負けちゃうとかなんとか………」
深青よりも強い結界をはれる人物。それって、相当な力じゃないのか?
「あっ、そうだ。その時に、深青ちゃんと一緒によく結界の力の練習したんだ。式神のいる深青ちゃんと私とじゃ力の使い方が全然違うんだけど、それでも楽しかったな~…」
遠くを見る真里に綺羅も同じように思いを馳せる。
無邪気に自分に見せてくれた笑顔。
『綺羅』と自分を呼ぶ声にどれだけ子供ながらに心をときめかせたか。
今、彼女はどうしているのだろう。
どこに…いるのだろう………。