永遠の約束-約束のはじまり-
「ところで、綺羅くんは深青ちゃんとは今でも会ってるの? 私も近いうちに会いに行こうと思ってるんだけど、中々勇気が持てなくて。もし、よかったら綺羅くんも」
「無駄だ」
「へ?」
真里は綺羅の言っている意味がわからず首を傾げる。
そんな真里に綺羅は冷たい視線を向けた。
「だから、無駄だって言ってるんだよ。如月神社に深青たちはもういない」
真里の表情が曇った。
「ど、どういうこと? 引っ越しちゃったってこと?」
「まあ……そういう…ことにはなるのかな」
綺羅の歯切れの悪い話し方に真里は怪訝な表情を向けた。
「何か、深青ちゃんにあったの? どういうこと? 知っているなら教えて」
自分の腕を引っ張る真里を冷たく見てから、ゆっくりと引っ張っていた真里の手を綺羅は外した。
「俺も詳しいことは知らない。だけど、もうあの場所に深青たち家族はいない。それに………」
「それに?」
「深青の父親は死んだらしい」
真里は小さく『信じられない』と呟きながら目を見開く。
「本当に? それは、本当なの?」
信じられない事実を受け入れるための確認のように真里は何度も聞いてくる。
その答えを綺羅は深く頷くことで答えた。
「う…そ……でしょ? おじさまが…そんな………」