永遠の約束-約束のはじまり-
「まだ、わかんないかな~? つまり、俺とお前が組んだら何とかなるんじゃないのかって言ってんの。このプレハブの悪霊も」
「え? え? え? そ、それって……もしかして、私たちで退治するって言うの?」
恐る恐るという感じで聞く真里に綺羅ははっきりと「ああ」と答えた。
「そ、そそそそそんなの無理。無理だよ! 経験も何もないし、どれだけ大きい悪霊かもわからないし………」
必死に両手を広げて『無理』を連発する真里に綺羅は軽く頭を掻いた。
まあ、こいつの言うこともわからないでもないが………。
「いいかげん、このままの状態で置いておくのもまずいだろ。結界を張ってるだけ。この結界だっていつまで持つかわからない」
「そ、それはそうだけど………。でも、結界が切れた時はまた新しい結界を張りなおせば」
『大丈夫大丈夫』と意気込む真里に綺羅は軽くため息を吐いた。
「じゃあ、もし運悪く結界が切れた時に馬鹿な奴らが度胸試しとばかりにプレハブに入り込んだりしたら?」
「そ……それは………」
「そんな最悪な状態を考えてからも、やっぱりここで退治しておくのが一番いいだろう」
「そ、それはそうかもしれないけど………」
真里は自分の手を見つめる。
「私に…それほどの力があるのかな?」
不安そうな真里に綺羅は滅多に見せない笑みを浮かべた。
「昔だろうがなんだろうが、深青よりも上の力を持っていた。それだけで、お前の力は強い力だよ。それに…別にずっと悪霊退治をしていこうというわけじゃない。今回、これだけなんだから」