妹は芸能人
4時間かけて2台の車がスキー場へ到着した。
6人は宿に荷物を置くとスキー道具を抱え、早速ゲレンデへ向かう。

スキーウェアに着替え、リフトに乗り、山の頂上に立つと晴れた空をバックに白銀の山々が広がる。
「すごい いい天気。よ~し、滑るぞ~」
唯は上級者コースに飛び出した。
運動神経のよい唯は高校時代のスキー教室だけでスキーもすぐ巧くなった。
雪煙を上げながら華麗なフォームで急坂を滑り降りていく。

「あつしも行けよ」
「無理だよ、こんな急なとこ」
あつしは、運動があまり得意ではない。
初心者コースをゆっくり滑るのが精一杯である。
友人達はそれなりに滑ることはできるが、スキーを楽しむというよりも みんなで旅行を楽しむという感じのため、唯が何本も滑っている間に あつしと共に初心者コースを滑り、1本滑っては一休みを繰り返す。

夕方。
待ち合わせ場所の食堂で既に5人はジュースを飲んでくつろいでいるところに唯が来た。
「すごい楽しかったです」

満面笑みの唯。
このスキー旅行でリフレッシュし、仕事も頑張れそうである。
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