実の弟に恋をしました。
「な、なんか暗くなっちゃったね!この話はやめよっか!」
「…うん」
──雄司。
こんなこと、あたしが言うのはおかしいかもしれないけど。
どうか、幸せになって。
これ以上、誰かを傷つけないで。
どんどん堕ちていく雄司の姿を見たくないよ。
「それより真弥さ、もしかして新しいカレできた?」
「へ?」
ふいに口を開いた由紀に、首をかしげると。
「だって、それ。キスマークじゃないの?」
「…!!」
ど、どうしよう!
ファンデーションで隠したつもりだったのに!
汗で落ちた、とか?
最悪……。
「どうゆうことなのかなぁ?」
動揺するあたしに、由紀はニヤリと笑いながらじりじりと詰め寄ってくる。
「ち、違うって!虫刺されだよ」
「……ほんとにぃ?」
う、疑ってる…。
でも、言えるわけがない。
実の弟のキスマークだなんて。