実の弟に恋をしました。
「て、てゆうかっ!あたしがそんなに簡単に体許す女に見える?」
「…いや、見えないけど」
由紀はあたしの言葉に納得したのか、問いつめるのを止め、おとなしく椅子に腰をおろした。
ほっと胸を撫で下ろす。
由紀は勘が鋭いから、油断出来ないんだ。
少しでも嘘をつこうものなら、ものの見事に見破られてしまう。
「でも、新しいカレができたらすぐ報告してね?一番に祝福したいんだ」
柔らかい笑顔で微笑む由紀に、思わず胸が痛む。
──祝福、か。
もし、陸との関係を話したら、由紀は祝福してくれるのかな?
…なんて、ね。
言えるわけないよ。
例え親友でも。
あたしと陸の恋は、決して許されることない禁断の恋なんだから───。