実の弟に恋をしました。
「なーにシケた面してんだよ?」
「り、りくっ!」
びっくりした…。
髪乾かしてたら、いきなり背後に現れるんだもん。
あたしは驚かされた仕返しに、ドライヤーの熱風を陸の顔に向けてやった。
「うわっ、」
綺麗にセットされた陸の髪がフワッと散らばり、整った輪郭が露になる。
強風に目を細めた陸の表情が、なんというか艶やかで、色っぽくて。
つい、見とれてしまった。
「…てめー何すんだ!アホ!」
「陸、おデコ全開〜」
ケラケラと笑い転げるあたしに、陸はムッとした表情で詰め寄ってくる。
「…許さねー…」
「……り、」
言いかけたあたしの唇を、陸の唇が塞いだ。