実の弟に恋をしました。
「そういえば陸、アナタ彼女いないの?」
「ぶはっ」
「ちょ、何やってんの真弥。汚いわねー」
お母さんが慌てて布巾を差し出してくる。
もう!
お母さんが変なこと言うから、牛乳吹き出しちゃったじゃん。
あたしは涙目になりながら、チラリと隣の陸を見上げた。
「…クッ」
ム…。
笑い堪えてるし。
肩震えてるからバレバレだっつーの!
あたしがキッと睨むと、陸は含み笑いを浮かべながら、あたしの頭をグシャグシャとかき乱した。
「…いるよ。彼女」
──え、陸?
「やっぱり。陸はお母さんに似て美形だから、女の子が放っておかないでしょう」
「まぁね」
「で、どんな子なの?」
「…んー」
チラ、と陸があたしの顔を見る。
な、何よ!
「バカでドジで、アホ丸出しな奴。行動がギャグ漫画みたいな奴」
「…なっ!」
なんだとーっ!