実の弟に恋をしました。


「いででで!!」


陸の不意打ちのせいで、赤面茹でダコと化してしまったあたしは、それをごまかすように陸の頬をつねった。


「なにすんだよ!」


「うるさい!陸がちゃんと集中しないからよ」


「あー、はいはい。すいませんでした」



ったく…。


なんで2つも年下の弟にこんな扱いを受けなきゃなんないの。



「………」


渋々問題を解き始めた陸の横顔をまじまじと見つめる。


やっぱ、かっこいいな…


悔しいけど、姉のひいき目無しで認めざるを得ないというか。


特に、涼しい切れ長の目とか…

桜色の唇とか……



そっか。

あたし、この唇にキスされたんだよね。


そう思ったら、身体の芯が熱くなって、再び顔が真っ赤になっていく。



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