実の弟に恋をしました。


「…あのさ」


ふいに、陸が声をあげる。


「な、なに?」


「そんな見られたら集中できないんだけど」


「へ!?」



やだ…あたし、そんなまじまじと見てた!?



「み、見てない!」


「嘘つけ。さっきからずっと視線感じてんだよ」


「…うっ」



……バレてたのね。



「……ちょっと休憩してい?」


「え、うん…」


始めてからまだ1時間も経ってないけどね。



陸は、シャーペンを置いて立ち上がると、そのままあたしの手を引いてベッドに腰を下ろした。



「…り、りく」


「少しだけ、ギュッてしてもいい?」


「…いいよ」



ドクンドクンと、心臓が波打つ。


触れられた手から陸の体温が伝わってきて、体中が熱い。



そして陸は、あたしの肩を引きよせると、そのまま腕の中にあたしを抱きしめた。


……たくましい腕。

広い背中。厚い胸板。


いつの間に、こんなに男らしくなっちゃったの。



小さい頃は、貧弱で女の子みたいに泣き虫で、いつだってあたしの後ろにベッタリだった陸が。



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