実の弟に恋をしました。


陸は、頭の後ろに回した手で優しく髪を撫でる。


あたしの大好きな行為の一つだ。


だって、陸の愛を感じられるから。




「俺さ……」


「うん?」


「受験頑張って、絶対大学受かるから!
…だから……」



──だから?




「そしたら、二人で暮らそう」







……え?



「ふ、二人でっ?」


「うん。誰にも邪魔されたくないじゃん」


「…そ、そうだけど」



それでもあたしの頭の中は、ハテナと不安でいっぱいだった。


だって、お父さんとお母さんには何て言うの?


お金はあるの?


陸は、何もかも捨てる覚悟で言ってるの──…?



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