実の弟に恋をしました。



「姉貴、心配しすぎ」


フッ、と陸が笑う。



「で、でもっ…」


「平気だって。キョウダイで暮らすとか普通にあることだし」


「……」



──確かに、仲の良いキョウダイで二人暮らしは珍しいことじゃない。

周りにも、お兄ちゃんと二人暮らししてる友達がいるし。


ただ、あたしたちの場合は禁忌を犯しているという後ろめたさがあるから、つい過敏になってしまうんだ。


「で、でもさ。もし反対されたら?」


そうだよ。

ただでさえ厳しいお父さんが、簡単に納得するとは思えない。


「…反対されたら、二人で家出しちゃえばいいよ」


「家出!?」


そんなの許されるわけ…



「なんてね。」


「……もう!」



陸の本心が分からない。


いったい、何を考えてるの?

二人暮らしは本気?


それとも、いつもみたいにからかってるだけ?



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