実の弟に恋をしました。



「……運命の赤い糸ってさ、残酷だよな」



…赤い糸。

それは、運命によって操られた、人と人とを結ぶ見えない糸。


あたしは小さい頃からずっと、その存在を信じてきたんだ。


それなのに……


あたしと陸は、赤い糸よりもっと濃くて、もっと深い、

「血」という糸で結ばれてしまった。


これも運命だというのなら、なんて残酷な運命なのだろう。



「…他人として出会えたら幸せだったのにな」


「…うん」



そうだね、陸。


そしたら、堂々と手を繋いで歩けるし、人前でキスも出来る。


陸のこと「自慢の彼氏です」って紹介することだって出来るんだ。


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