実の弟に恋をしました。
「姉貴。泣いてんの?」
「…ッ、泣いてないっ」
「嘘」
陸の手があたしの目尻に触れて。
そっと、涙を拭ってくれる。
目が合えば、優しく微笑んでくれる。
「笑って?真弥」
…ッ、ダメだよ陸。
涙、止まんなくなっちゃうよ…。
「何があっても、俺は真弥から絶対に離れない。つーか、離さねぇし?」
「……陸っ」
あたしも…あたしもだよ?
何があっても、陸から離れない。
ずっと、陸だけを見てる。
例え、残酷な運命に翻弄されたとしても。
第9章・おわり