実の弟に恋をしました。




「姉貴。泣いてんの?」


「…ッ、泣いてないっ」


「嘘」


陸の手があたしの目尻に触れて。

そっと、涙を拭ってくれる。


目が合えば、優しく微笑んでくれる。



「笑って?真弥」



…ッ、ダメだよ陸。


涙、止まんなくなっちゃうよ…。



「何があっても、俺は真弥から絶対に離れない。つーか、離さねぇし?」


「……陸っ」



あたしも…あたしもだよ?


何があっても、陸から離れない。

ずっと、陸だけを見てる。




例え、残酷な運命に翻弄されたとしても。









   第9章・おわり

< 140 / 380 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop