実の弟に恋をしました。
「やっと起きてきた。何度も起こしに行ったのよ」
「…ごめん」
呆れながら、お母さんがあたしの前にトーストを差し出してくる。
いつもの朝の風景。
…そうだ。
夢の中でも、このテーブルに向かい合って、お母さんはあたしたちに打ち明けたんだ。
その光景はやけにリアルで、今でも、もしかしたら現実なんじゃないかとどこかで期待している自分もいる。
「ね、お母さん」
「なぁに?」
「あたしと陸は、お母さんの子だよね?」
「はぁ?」
お母さんは、目を見開き、ポカンと口を開けて首を傾げる。
「…姉貴?」
隣にいる陸までもが、ギョッとした顔であたしを見つめた。
「何当たり前なこと言ってるの」
「…何でも無い」
そうだよ。
当たり前のこと。
確かめるだけ無駄なのに、あたし、何してるんだろう……。