実の弟に恋をしました。



「ね、真弥。陸くん、ますますイケメンになってない?」


部屋につくなり、由紀は興奮したように耳打ちしてきた。


「そ、そうかな?」


確かに、陸はカッコイイ。

最近ますます男に磨きがかかってると言うか…。


ほどよくついた筋肉とか…

襟足の長い栗色の髪の毛とか…

すらりと伸びた足とか…


年を重ねるごとに、どんどん魅力的になっている陸。


以前のあたしは、陸のことを誉められるとまるで自分のことのように嬉しくて、それを誇りに思っていた。


…けど、今は。


なぜか素直に喜べない。



あたし、もしかして──




由紀に、嫉妬してる……?




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