実の弟に恋をしました。
──カチャ
紅茶の用意をしながら、あたしはボーッと考え込んでいた。
由紀に本当のことを打ち明けるべきか。
今までどうり隠し通すか。
いずれにせよ、いつかは分かること──…
その時。
──ギュッ。
「きゃっ!」
危うく、持っていたティーカップを落としそうになってしまった。
だって、突然背後に気配を感じたと思ったら、いきなり抱きしめられたんだもん。
この腕…このぬくもり…
「……陸」
あんたしかいない。
陸は、あたしのお腹に腕を回したまま、肩の上に頭を乗せた。
首筋に陸の吐息がかかって、くすぐったい。