実の弟に恋をしました。


いつも強気なくせに、今はまるで子猫のように甘えんぼな陸。


そんな陸が可愛くて、いとおしくて。


いろんな感情が押し寄せてくる。



「…陸、甘えたさん」


「うっせー。ガキ扱いすんな」


「好きだよ、陸」



──チュ。



初めての、あたしからのキス。


「……」


陸は、一瞬何が起きたのか分からなかったらしく、目をパチクリさせたまま愕然と立ち尽くしている。



そして……



「お、おまっ……」


やっと事態を把握したのか、唇を押さえて、顔を真っ赤に紅潮させた。



「いつもの仕返し」

ペロッと舌を出す。



「くっ…後で覚えとけよ」


「はいはい」



そして。

悔しがる陸を適当にあしらって、リビングを後にしたのだった。




たったひとつの決意をもって。







第11章 おわり



< 180 / 380 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop