実の弟に恋をしました。
いつも強気なくせに、今はまるで子猫のように甘えんぼな陸。
そんな陸が可愛くて、いとおしくて。
いろんな感情が押し寄せてくる。
「…陸、甘えたさん」
「うっせー。ガキ扱いすんな」
「好きだよ、陸」
──チュ。
初めての、あたしからのキス。
「……」
陸は、一瞬何が起きたのか分からなかったらしく、目をパチクリさせたまま愕然と立ち尽くしている。
そして……
「お、おまっ……」
やっと事態を把握したのか、唇を押さえて、顔を真っ赤に紅潮させた。
「いつもの仕返し」
ペロッと舌を出す。
「くっ…後で覚えとけよ」
「はいはい」
そして。
悔しがる陸を適当にあしらって、リビングを後にしたのだった。
たったひとつの決意をもって。
第11章 おわり