実の弟に恋をしました。
「……あたし、由紀に黙ってたことがあって」
「えっ」
途端に神妙な顔つきになる由紀。
同時に、あたしも拳にギュッと力を入れた。
「…あたし、実は、」
言え!
言うんだ、あたし!
大丈夫。
由紀を信じてるから。
「…実はっ…」
チャラ〜ラララ〜♪
───え?
静寂を遮る、脱力感のあるメロディー。
「あ!慶太さんからだ!」
「ち、ちょっと由…」
「もしもし!!慶太さん?もー、どうして連絡くれないんですかっ」
……あのー、由紀さん?
呆然とするあたしをよそに、由紀は人が変わったかのように甘ったるい声で話し始めた。