実の弟に恋をしました。
…あずさ、あずさ?
──あ!
「あの梓ちゃん!?」
間の抜けたあたしの声が、人通りの少ない路地裏に響く。
「真弥ちゃん!久しぶり」
うわー!
確かにこの声、梓ちゃんだ。
すっかり変わっちゃって、一瞬分からなかった。
本名は、岡田梓。
年は陸とタメだから、高校2年生。
梓ちゃんは昔、隣のアパートに住んでて、よく一緒に遊んでた幼馴染みみたいな関係だった。
肌が雪みたいに真っ白で、すべすべで、華奢な体の女の子だ。
けど、中学2年に上がると同時に両親が離婚して、大阪に引っ越していったきり連絡が途絶えて……
そっか。
かれこれ4年ぶりになるんだ…。
──でも。
なんで梓ちゃんがここに?