実の弟に恋をしました。
「ふふ。あたし、ワケありでこっちの高校受けたんだ」
昔と変わらない柔らかい笑顔で、梓ちゃんは笑う。
確かに…よく見ればこのセーラー服、有名な私立高校の制服だ。
「今は隣町の従姉妹の家でお世話になってるの」
「そうだったんだ…」
「で、さっきまで地元の友達と会ってたんだけど、久しぶりのこの道通ったら二人がいるんだもん。ビックリしちゃった」
…いやいや、驚いたのはあたしのほうですって。
梓ちゃんってば、すっかり大人っぽくなっちゃったし。
ショートカットだった髪の毛も、今では毛先がゆるく巻かれていて。
ほんのり化粧もしてるのか、うんと垢抜けている。