実の弟に恋をしました。
……それよりも。
あたしはさっきから、ずっと隣が気になって仕方なかった。
「……」
久々の再会を喜ぶあたしたちの横で、ただ沈黙状態の陸。
チラリとその表情を盗み見ると、なんだか罰の悪そうな、気まずそうな顔をしていた。
…まぁ、無理もないか。
だって。
何を隠そう、梓ちゃんは陸の『元カノ』なんだから───。
とはいっても、中学1年のほんの数ヵ月の関係だったみたいだけど…。
しかも、手を繋ぐだけの清い関係。
それでも、当時梓ちゃんが陸にゾッコンだったのは、見ていて一目瞭然だった。