実の弟に恋をしました。
―12年後―
「うわーん!陸ーっ」
「…真弥!?」
慌ててかけつけると、そこにはキッチンの前で小さくうずくまる真弥の姿があった。
「どうした!?」
近づいて見ると、真弥の指から赤い血が流れている。
「…見せて」
「うぅ…痛い…」
…良かった。
傷はそんなに深くない。
「料理なんて慣れないことするからだよ」
「…だって、陸においしいって言ってほしかったんだもん」
目にほんのり涙を浮かべて唇を尖らせる真弥。
あぁもう、たまらなく可愛い。