実の弟に恋をしました。
「……梓ちゃん」
それは、突然訪れた。
彼女が、手土産を持って遊びに来たのだ。
再会して、まだ一週間も経たないうちに。
「突然ごめんね?びっくりしたでしょ」
「う、ううんっ」
本当は、驚いてる。
この前のセーラー服とは違い、ピンクのワンピースに身を包んだ彼女は、やっぱり昔よりも一段ときれいで垢抜けていた。
「…と、とりあえず上がって?」
「じゃあ、お邪魔します。あ、これシュークリームだから」
「あ、ありがと」
差し出された紙袋を受け取りながら、あたしは一人はらはらしていた。
だって─…
2階には、まだ陸が寝ている。
梓ちゃんが来てると知ったら、一体どんな顔をするだろう──……。