実の弟に恋をしました。
黙りこむ俺に、梓は追い討ちをかけるように攻め立ててくる。
「シスコンにも程があるよ。何かあるたび姉貴、姉貴、って……」
「……」
「本当は、真弥ちゃんのこと“女”として見てるんじゃないの?」
──ッ……。
それは、俺が13年間、自分の中だけに封じ込めてきた、最大の秘密。
いとも簡単に梓に見破られてしまったことに、しばらく呆然とする。
「…なんて、ね」
言葉を失ったままの俺に、梓がフッと口元を緩めた。
「そんなことあるわけないよね?だって、血が繋がってるんだよ?
もしそうなら……
気持ち悪いよ」