実の弟に恋をしました。
“気持ち悪い”
梓の放った一言が、まるでエコーがかかったように俺の脳裏で響き渡る。
…初めて、人から言われた。
俺がずっと秘めてきた姉貴に対する特別な想い。
それが、たった一言で片付けられてしまうなんて。
だけど……。
俺は、無言のまま、目の前にいる梓を見下ろした。
「なに?」
「……当たりだよ」
「え…?」
目を見開く彼女に、俺は静かに口を開いた。
「…異常なんだ、俺は」